恋人たち(仮)


「近所のスタジオにアコースティックギターを持って出掛ける。新曲のデモを録る為に。思いっきりアコースティックギターをかき鳴らす。あんな気持ち良さそうに鳴るんだ。最高じゃん。やっぱり家では駄目だね。近隣住民とやらに怒られるし。歌も思いっきり歌った。これからはスタジオで録ろう。そうしよう。なんだかとてもすっきりした。やっぱり僕は歌うのが好きなんだ。ここ最近は大きい声で歌っていなかったから駄目だったんだ。カラオケなんかじゃ満たされないんだよ。
家に帰ってから録った新曲をずーっと聴いてる。歌詞はまだないけど、ひたすら聴いてる。もうこのデモの状態で皆に聴かせたいくらい。聴きたい人には聴かせてあげるよ。
新曲が出来る度、毎回感動する。自分で作った曲に自分がいちばんグッときてる。そうじゃなきゃ駄目だ、って思ってるし。恋人たち(仮)。さあ。此処からどんな物語が始まるのか。作者の僕は誰よりも楽しみにしているよ。君に聴いて欲しくて作った曲なんだ。物語がハッピーエンドでもバッドエンドでも、それが僕らの選んだ生き方なんだから仕方ない。皆が幸せになんてなれっこないんだ。ああ。だからこそどうか神様、今年の冬はこの曲が僕らと、僕らの大切な人たちを何処か素敵な場所へと連れていってくれますように。こんなことを言えちゃうくらいの素晴らしい曲が出来ました。もうそれだけで僕は幸せです。」