夜の魔物

夜の魔法は こわれて消えた 裸のままの 君の目はもう 遠いところへ行ってしまった まぼろしばかり見ていた

何もかも許せてしまいそうな  朝にはもう会えない気がした 永遠のような時間だけが 冬の風に揺れていた

真っ赤な声で 君は泣くから 月の匂いが 骨まで沁みた 本当はとても淋しいのに この目は慣れてしまった

何もかも忘れてしまいそうな 朝にはもう会えない気がした 永遠のような時間だけが 冬の風に揺れていた

「夜の果て、死んでしまいそうな星もいつかは輝くだろうか」

少しだけ笑ってまた君になった 此処にも夜がきていた

何もかも許せてしまいそうな 朝にはもう会えない気がした 永遠のような時間だけが 冬の風に揺れていた

作・伊藤陵太郎

Cramptonというバンドをやっていた頃に作ったうた。出来たとき、今までで一番すきだ!と強く思った。デモ音源をひたすら聴いた。寒い夜に、薄暗い部屋でひとりぼっちの青年が朝を待つ。そんなうた。